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西洋料理の進化
(ポールボキューズの話)

    

西洋料理の進化・・・・ポールボキューズに見る
光文社からの出版「パレスチナから来た少女」という小説があります。大石直紀著の文章の一節に「夢見る事と祈る事、このことをもちつづけるかぎり人間は生きていける」と言う、たわいのない無い文章が何かにつけて私の脳裏の片隅におかれています。

ポールボキューズ(Paul Bocuse)フランス、リヨン、パリについでの大都市の郊外に三ッ星レストラン、ポールボキューズがあります。ヌーベルキュイジーヌの帝王と呼ばれて久しい方です。新感覚フランス料理の先がけをうたった、既存のフランス料理概念において、ベーシックでオーソドックスな流れを変え、独創的で大胆な料理。バターやクリームをたっぷりのソースベースから素材を生かし、見て楽しめて、むやみにたくさんの材料を組み合わせない付け合わせや飾りは、最小限におさえる。味の芸術性を追求したまさに現在のフランス料理です。私自身がホテリエになってフレンチを垣間見た時から随分とフランス料理は変化、進化してきました。メニューを語る時、やはり氏のことを記載しておかねば、そんな想いにて紹介させて頂きます。

ポールボキューズ・・・フランスリオン郊外の小さな村、コロンジュ・オ・モンドールに生まれる、三世紀に渡りつづくレストランオーナのすばらしい環境の中で育ち、若くして才能を開花。1961年フランスで最高なシェフに贈られるM、O、F(フランス最優秀料理人)を受賞。1965年ミュシュラン三ツ星を獲得以降37年もの間、フランス料理において最高峰の地位を続けている。1975年当時の大統領ジスカールデスタン氏よりレジオンドヌール勲章を受賞。

日本でもテレビ、コマーシャルと営業の才能も長けていたので皆さんご存知かと思います。彼が唱えたというか、開花させたヌーベルキュイジーヌもゴーミオ(ミシュラン同様、フランス料理レストランガイド本)からアラン・サンドラス氏、ロビション氏、トロワグロ兄弟等々と、新規台頭者もあらわれ、フランス料理をさらに斬新に進化(完成された感のある日本料理会席の文化もかなり取り入れているように私には感じるのですが)してきています。ヌーベルキュイジーヌと言う言葉がフランス料理そのものに代弁されるようになった気さえします。

その昔、映画監督の大島渚氏が日本のヌーべルバーグ(新感覚映画)と言われた時代を記憶している方もおられるかと思います。ヌーベルシノワ(新中華料理)ヌーベルジャポネ(新日本料理)なる言葉もこの言葉から生まれました。現在の西欧料理に多大なインパクトをあたえてくれているポールボキューズ氏。さらに進化してゆく西欧料理を楽しみにしております。「夢見ることと祈る事、このことをももちつづければ人は生きていける」まさにその言葉を地でおこなっている人がポールボキューズなのかもしれません。

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