ニッカンネット.com
テーブルマナースポット
テーブルマナー>レストランでのマナー
* * * レストランでのマナー * * *
アペリティフ(食前酒)

  

アペリティフ(食前酒)
料理をオーダーする、その前に食前酒,(アぺリィティフ)はいかがですか

さて料理をオーダーちょっとお待ち下さい。その前に着席をし、一呼吸間をおいたところでタキシードの男性が「お食事前のお飲み物はいかがなさいますか」と食前酒のお好みをオーダーテイクする会話をしてきます。但し、(ウエイティングバーがあるようでしたらそちらで食前酒と言う事もありますし、グランドメニューの中からメニューを選ぶことも可能です)食事もまだ決めていないのになどと考えないで下さい。食前酒から食事は始まっていると思ってください。食前酒は食欲を起こし唾液,胃液の分泌を活発にする料理をより美味しくするものですし、その時々の雰囲気で様々な食前酒を楽しんでみましょう。

代表的な食前酒(Apperitif)

シェリー・・・シェリーと言えばスペインの特産のしろぶどうから作り上げます、ドライなタイプがあり、私自身の好みで言わせていただければドライシェリー(ティオぺぺ)と銘柄で注文します。ただシェリーは、通常ワインとは全く違いますのでおことわりしておきます。若干のかび臭さが特徴です。

マティーニ・・・ジンをベースにフレンチベルモットをミックスしてステアーして作ります、その際、ジンを多くしたドライなタイプが主流です。ジンとベルモットの割合が7対3が普通ですが、ドライ、エキストラドライですと9対1の割合になります。オリーブを飾りとします。通常男性が食前酒として注文する際にはオンザロックになろうかと思います。ジンもいくつかの銘柄を置いてあります(たとえばビーフィーター,ゴードン等)ので好みを指定なさって下さい。お好きな方は別にレモンを頂くとよろしいでしょう私もそのタイプに属します。

マンハッタン・・・ウイスキーにスイートベルモットをくわえたカクテルです。ドライべルモットをくわえれば、ドライマンハッタンになります。マンハッタンの諸説の中で第2時世界大戦のイギリスの首相だったチャーチルの母親がつくったという説です。政治家の母だけに、誕生秘話には政治が関係していたのでしょう。

1876年アメリカの第19代大統領選挙では、民主党候補ニュウヨーク州知事S、Tティルデンと、共和党候補のオハイオ州知事R,Bヘンズが激突し、激しい選挙戦を繰り広げたそうです。この選挙戦で民主党を応援するニューヨーカーの中に銀行家の令嬢であるジェニー、ジェローム、のちのチャーチルの母がいました。ある夜ニューヨーク市の店名(マンハッタン・クラブ)で、民主党の応援パーティーがあり、幹事の一人であった彼女は、ウイスキーとスイートベルモットを組み合わせた新しいカクテルを提案しました。これが参加者から大好評をえることになり。このときのカクテルが、そのまま一般に広まり、名前もその時の店名(マンハッタン)と呼ばれるよいになったと伝えられています。マティーニ、マンハッタンは食前酒の代表ですが時代は流行に左右され、最近では注文なさる方が少なくなっていますが、永遠のスタンダードと私は考えています。ドライマティーニをオンザロックで、レモンをハーフで注文し、かるく絞ります、ブロックアイスのグラスにあたる音お聞いていると何故かスターダストレビューが聞こえてきそうです。

カンパリ、ソーダ又はトニック・・・イタリアミラノのガスパーレ、カンパリ氏(Gaspare Campari)によって生み出されたリキュールです。ソーダかトニックウオーター、好みで注文してください。レモンが添えて出てきます。

キール・・・クロスグリのリキュール(カシス)辛口の白ワインで割ったもの。

キールロワイヤル・・・カシスをスパークリングワインで割ったもの。

キールアンぺリアル・・・スパークリングワインにクレームドフランボワーズで割ったもの、私自身は、食事中のワイン、その前の段階でのシャンパンの変わりとしてこのアイテムをたのむことが多いです。

ミモザ・・・オレンジジュースをスパークリングワインで割ったもの、

近年の食前酒は、スパークリングワインでなにかを割ったものが私に限らず、どうもトレンドなようです。ではビールは飲んではいけないのかとよく質問をされます。そんなことは無いのですが、西洋料理の歴史観から見ても、また、上質な空間で一時を大切な人と共有するのですから、世界中いついかなる時でさえ、手にする事のでき、豪快に飲みほすビールより繊細さを求めた飲み物がよりエレガントですし、その後に控えているシャンパ―ニュ、タイプの違うワインなどを考えた時、控えめだが確かな一杯を食前酒とした方がより良いでしょう。お酒を飲まない方はどうすべきか、皆さんがオーダーされ自分は結構と言う訳にもいきません。ノンアルコールカクテル、ジンジャエール、トニックウオーターにライムを添えてもらっても結構かと思いますし、ぺリエウオーターにレモンでもよろしいと思います。これらが代表的な食前酒ですが、解らなければ店の人に相談なさるのは恥ずかしいことではないのですが、せっかくですからこの中からいずれかを注文なさるのも記載した本人も納得して結果を得たような感もいたします。

 ある雑誌にこんな文章が掲載されていました。オックスフォード大学のヘンリー・オードリッチ博士より「我が想いにあやまちなくば、飲酒に5つの理由有り」と記載された文章があり「良酒あらば飲むべし、友来たらば飲むべし、のど、渇きたらば飲むべし。もしくは、渇く恐れあらば飲むべし。もしくは、いかなる理由ありても飲むべし」酒に関しては別項目で後日の記載といたします。

メニューはじっくり時間をかけて

貴方の右側よりタキシードを着たキャプテンクラスのスタッフがメニューを提示するでしょう、メニューの提示は一人一人、客より予約時にホスト,ゲストを聞いているため順示、その順に上席からメニューがくばられます。もちろんプライスのあるメニュー、プライスなしのメニューも予約時の打ち合わせにしたがって提示されます。メニューを見ながらあれやこれや料理の選択に頭をなやますのも楽しい一時です。しかし、メニューをろくに見ないで注文をする人も中にはいらっしゃるようですが、レストラン側に失礼にあたります。メニューは初めから終わりまで、また、わからない内容はスタッフに確認し、話し合いながらゆっくりと、想像と実際の料理の大きな違いをおこさない為にも、時間をかけて決めていく事がよいでしょう、レストランサイドも本日の料理やリコメンドする料理を説明する事になり、双方に理解、解釈の尺度を一致させることが大事です。また、オーダーテイク、サービス順序は上席からうかがって行きます。

さて上品な時間を楽しむ為の必要五感をあらためて考えてみましょう

味覚・・料理、飲み物など味そのもの,辛過ぎる,甘過ぎる、にがい、舌で味わう感覚

視覚・・綺麗なテーブルクロス,照明の感覚、料理の彩り,プレートの美しさ、磨き上げたシルバー、透明感を存在の意義に主張しているかのグラス類、全てのアコモデション、サービスマンの機敏な動き、グリートレスの笑顔、上質なマネージャーとの会話

臭覚・・ワインやアペリティフのブーケ、さまざまな料理の臭い、但し気をつけなければいけないのが、強過ぎる香水、強すぎるヘアークリームなど

聴覚・・レストランに合ったBGM,楽しそうなレストラン内の雰囲気から聞こえる会話、ピアノの調べ

触覚・・座り心地の良い椅子、肌触りの良いナプキン、パンの手触り、料理の舌触り、歯ごたえ、咽喉ごし

  


NIKKANNET に掲載の記事・写真・カット等の転載を禁じます。
すべての著作権は日刊きりゅうに帰属します。

ニッカンネット.com