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スープについてのマナーと知識

    

スープについてのマナーと知識@

◆人と人との距離、親と子の心理的な距離感や、住居の距離間を表す言葉にスープの冷めない距離なる表現の言いまわしを耳にした事があると思います。その言葉尻を現実に計測した方がいました。

温かいスープを作り召しあがりやすい温度状態その到着地点そこまでの距離を一般の主婦達の協力を得て実際に歩き、速度と距離、スープ温度の統計を計測したところ、分速71メートルで30分。約2キロメーターの数字が平均値となったそうです。しかし、主婦の年齢が若ければ若いほど速度は速くなり居住間は長くなります。主婦の年齢が高くなるにしたがい親と子のスープの冷めない居住距離間は短くなるとの統計での答えです。親と子の心理的距離感と同時に住居の距離間は、親子の年齢が高くなればなるほどに短く、スープは熱めがより良い様です。実験結果や言いまわしは、絆が希薄となった時代のひとつの尺度ではないでしょうか。

スープを例えに表現の言いまわしを語ったのは50年前のイギリス人。その実際を検証してみた現代日本の大学教授の行動が言い得て妙です。スープ(soup)は英語、ポタージュ(potage)はフランス語。どちらも同じ意味です。

日本人の感覚にするとスープは澄んだスープのことを指し、ポタージュは濃いスープの代名詞とお考えの方が依然いらっしゃるので改めてここでポタージュはスープの総称でドロリとしたものから、澄んだものまで全てのものとご理解していただければと思います。又、フランス語でスープは飲む(ポワ―ル)ではなく食べる(マンジェ)物であり音をたてずにお召しあがりになる料理です。

日本そばや、ラーメンを音を立てずに召し上がる西欧の人を近くや隣のテーブルで偶然店内で居あわせた方はいらっしゃるでしょうか?私自身何度か遭遇した経験があります。日本の食文化を理解してほしいと感じた当時の記憶が記載をしていてよみがえってきました。まったくその逆で料理を召し上がる中で音を立てる、特にスープを音を立ててズズーと召し上がる事は、西欧の人達は、生理的に嫌悪感をいだきます。

マナーは文化を理解しないとモラルを問われるのは、世の東西を問わないと言うことです。スープの召しあがり方の初歩的なマナーと認識頂ければと思います。

さてポタージュを正確に記載すると・・澄んだポタージュをポタージュクレール(potage clair)つまり透明なスープ。

濃いポタージュをポタージュリエ(potage lie)リエ{リエゾン}は、つなぐと言う意味です。つまり、つなぎのあるスープとなります。

フランス語で鍋のことをポット(pot)と表言します。その原語からポタージュの縁語に変化をしたことを考えると鍋物のごった煮からスープ料理が進化をし、現在の西洋料理のスープに至ったと考えます。

現存するもっとも歴史のあるスープは、南フランスのブイヤベースと言われています。名物の魚介類にサフランをはじめとする香草や香味野菜をふんだんに使用したごった煮スープです。人間の食の歴史の中で肉を焼き、魚を焼き、その次に来るものはごった煮のスープだったようです。ブイヤベースのように現在も当時のままのスタイルを受け継ぎ楽しませて頂いているものからその物を発展させ創意工夫をほどこしたものまでバリエーションは無限大です。一品づつが歴史を感じさせるスープ料理に合わせ、なによりステキに魅せるマナーが必要となってきます。

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