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肉料理のマナーと知識13

    

肉料理のマナーと知識L最終章

ジビエ料理とは?

 古典落語と浜トラファッション好きな若者でした。

19歳の春の事・・・池袋のサンシャイン劇場に古今亭志ん朝の独演会を見に行きました。寄席とは別の、劇場で見る落語は初めてでした。名人上手と歌われた人だけあって、話しの芸術はもちろん、立居振る舞いの仕草一つ一つが絵のような人でした。語り方に色艶が有り、華が有り、歯切れの良い江戸弁は、大事な演目を忘れてしまうほど!これぞ噺家。火焔太鼓か?居残り佐平次?古典落語の妙を思う存分楽しませてくれました。19歳の子供が、鳥肌が立つほど感動した初めての事件でした。以来訃報を聞くまでの数十年の間、喝采と賛辞の言葉しか見当たりませんでした。

人間が生きて行く糧として、衣食住の次ぎに、心豊かに楽しい時間を持てる事が、何より幸せではないでしょうか、欲が蠢く心の中で、一時の楽園に勝るものは無い様に感じます。肉料理については、今回が最終章になります。ならばと、古き時代を現代に語り継ぐ、古典の話しを持ち出した次第です。

ジビエ料理 さて、料理界での古典芸術とはと問われれば、それは、ジビエ料理に有ると思います・・・「狩猟による野生鳥獣肉をフラス語でジビエ(gibier)英語で(game)ゲームといいます」日本人にすっかり馴染んだ言葉では有りません。農耕民族の日本人に対して、狩猟民族、西洋の人々の古典です。冬に備えて栄養分を蓄えた動物は、脂肪分だけでなく、筋肉も発達しています。秋から早冬に掛けてが、狩猟と味覚の時期です。その昔のフランスやイタリアなどの王侯貴族たちは、一時の楽園を狩りに見い出してもいました。限られた人達の限られた世界観。今とは全ての価値観の違う時代でした、閉ざされた味覚文化も、時代の変革と流通の発展と供に世界中に普及しました。今日では、我々一般庶民もその時期にフレンチレストランに行き、ジビエを食すことは、ダウンロードより容易な事になりました。

猪や鹿、野兎、雉、やましぎ、山ばと、うずら、つぐみ、らいちょう、かも類等々、新鮮な素材として手に入る流通は、温度差をまったく感じさせない救世主の様です。レストランで美味しく食べているジビエにガリッと“石のような物が口の中を転がる・・何かと?取り出して見たら散弾の破片が出てきてウ〜ン〜新鮮だと”真顔で語る食通もいるほど、こだわりの有る肉料理です。だからと言って蛇口を捻ると水が出てくる様には行きません。限り有る食材、限り有る季節しか味わえない貴重な、食の道楽に変わり有りません。肉料理のマナーと知識の最後の章に、根幹である狩猟による野生鳥獣肉(ジビエ)のお話を記載させて頂きました。

ジビエとは何?古典の肉料理とは何?・・のさわり部分だけでも理解して頂ければ幸いです。西洋人に正座をして頂き、箸の使い方、蕎麦はのどごしで、音をたて食べ、残った汁にそばつゆを足し、微妙なバランスの味を二度楽しむ方法を、短時間で理解して欲しいと思っても難しい文化です。その逆で、テーブルマナーを楽しく理解するには、少しばかりの知識と,少しばかりの好奇心が必要です。ステップアップや,スキルアップした自分に自信がついたとき、心にスポット(自信や、光)が必ず芽生えるはずです。

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