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デザートのマナーと知識13

    

デザートのマナーと知識L
語り継ぐケーキ

シティーポップスと言われた寺尾聡のヒット曲集「リフレクションズ」を聞いて懐かしんでいると、都会の喧騒がむしょうに恋しくなります。裏腹に「喜びも悲しみもこの土の中、秋になき、冬に耐え、春に咲く三線の花」と・・・歌い上げる沖縄から生まれた温もりのあるビギンの歌詞を聞くと、心が和み、見知らぬ南の地に思いを馳せます。都会の不夜城と、田舎の穏やかさを同時に求めるのは、欲張り過ぎですね。

 フランスのブルゴーニュ地方はワインの中心的な役割を担う地域です。そこにボーヌ(BEAUNE)と言う歴史有る有名な町があります。フランスを訪ねた際、一番の好みに合った町になったのがこのボーヌと言う町です。こぢんまりとした佇まいが、穏やかな気持ちにさせてくれます。19世紀に建設された憧れの、HOTEL DE LA POSTE(オテル・ドュ・ラ・ポステ)に宿を取る事が出来ました。仕事の合間に、のんびりと観光施設 昔の施療院 「HOTEL DIEU(オテル・デュー)」に向かい、見学の後、このデザート、ケーキに偶然出会いました。お茶を頂くカフェでの出会いでした。シャルロット・サバヨンと言う名のケーキです。ブルゴーニュ地方と言えば赤ワインが有名な地方ですが、ここで出会ったのが白ワインを元にアレンジされたケーキでした。CHARLOTTE SABAYON(シャルロット・サバヨン)・・・白ワインと卵黄を合わせ、ソースとしたサバヨンソースをムース状にし、スポンジと絡めています。ホイップクリームに絡め、ソースが染込んだスポンジから薄っすらと控えめに白ワインの香りが頂けます。しっとりとした大人なの味が石畳のフランスの穏やかな田舎町を思い出させてくれます。

小さな町で生まれた、都会的なケーキもお気に入りです。タルト・タタン・・・フランスのりんごのタルトのことです。但し、普通のタルトはタルト生地の上に果物を乗せ焼き上げますが、このタルトは逆です。りんごとバター、砂糖を先に焼き、上から生地をかぶせ、最後に返します。香ばしいさも頂けるケーキです。19世紀にホテル・タタンを経営していたタタン姉妹が失敗して作ってしまったケーキが思いのほか美味しく出来てしまい、フランス、中部、ソローニュ地方から評判を上げ、評価は、いつしか、名物になり、伝統的なタルトになって行きました。センスの良さは街の香りを感じさせてくれます。

ヨーロッパには、GASTRONOMIE(ガストロノミー)と言う言葉があります。訳すと「味を追求する学問」と、なります。食は文化であり、一つの学問として捉えられています。ただの一つのケーキではないのです。ただの一つのお菓子ではないのです。歴史の積み重ね、代々と受け継がれる経験と知識がアレンジを生み、ふるいにかけられ 又新しい歴史を作って行きます。だからこそ一つのケーキを存分に味わいたいのです。

「語り継ぐこと」は、重要なことですね。

寺尾聡の「ルビーの指輪」は、1981年の大ヒット作です。今から26年前の作品ですが時代を感じさせない街の匂いがする名曲です。認められた作品は、そして、26年後でも時代の波にのみこまれずきっと語り継がれる、名曲と言われているでしょう。

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