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デザートのマナーと知識23

    

デザートのマナーと知識 23 フランス菓子「パリブレスト」
マラソンを趣味にしている方には絶好な季節です。ここ桐生市でも掘マラソンは有名ですね。ただし、今回はエントリーはせず、東京マラソンにかけるつもりです。

 今から約20年程前に、マラソンが講じてトライアスロンに移行した時期がありました。フランスでは、どんな田舎町に行っても若い人からお年寄りまで、自転車(ロードレースタイプ)を愛し、サイクリスト特有のユニホームに身を包み、乗り回している姿があちらこちらで見られます。そんな時に知ったのが、ヨーロッパ最大の自転車競技「ツールド・フランス」でした。日本人には理解出来ないかもしれませんが、ヨーロッパでは、サッカーのワールドカップに匹敵する程の競技です。毎年 7 月に行われます。

 パリからブレスト市(フランス・ブルターニュ地方に位置する港湾都市)そして、またパリ、シャンゼリゼに凱旋するまでの距離を9人編成で、数週間に渡り往路3500キロ、高低差 2000m以上の起伏を走り続けるタフで壮大なスポーツです。

 当時、都市ホテルに勤務していた私は、そんな自転車競技を知り、初めてそのスゥイーツの名称の由来を知りました。

その名前は「パリブレスト」。ツールドフランスにちなんで作られたお菓子です。シュー生地にプラリネ。表面にはスライスアーモンドをのせ、自転車の車輪をイメージして大きなリング型のエクレールで創作したそうです。さらに、もう一つの逸話としては「パテシエとしての武者修行の旅をツールド・フランスに例え、各地を転々として自分の腕を磨いた」。そんな菓子職人としての奇跡をケーキに残し、パリ=ブレストの名称としてデザートが出来上がったという由来もあります。全ての食には深い意味が含まれていますが、自転車競技にちなんで、発展したデザートもなかなか無いでしょう。

パリブレストは、リング状に焼いたシュー生地に、カスタードクリームやホイップクリーム、フルーツなどをはさんだお菓子です。デザートナイフ&フォークが出てきます。シューからクリームが出てきましたら、ナイフを巧みに使い、クリームをフォークに塗り、召し上がって下さい。けっして、ナイフを口に運ばないようにして下さい。

 先日「小田和正」さんのコンサートをテレビで拝見致しました。還暦を迎えたそうですが、依然、歌声は透き通り、詩は走り、衰えなどは微塵(みじん)もなく、過去より現在に、ますますの力を感じました。ツールド・フランスでトップを走る選手にだけに与えられる黄色いベストを「マイヨウ・ジョウヌ」と言います。選手達はこのマイヨウ・ジョウヌの称号を得るために、ひたすら走りつづけます。テレビで見た小田さんは、音楽と食の違いこそあれ、まるでマイヨウ・ジョウヌを着た選手の様でした。パテシエの本家フランスは、小粋なネーミングと味で我々を魅了しつづけます。繊細で、温もりがあり、説得力がある小田さんの歌声の様にどこか共通しています。

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